平野啓一郎『日蝕』は佐藤亜紀『鏡の影』のぱくりか?――2ちゃんねるにおける考察より――[2]

524 :吾輩は名無しである:2007/10/19(金) 13:11:06
 >>487
 この話題、もう終わってるのかもしれませんが、ちょっと気になったので。
 309さんは、459の内容を読み違えてませんか?
 ここで自分は、日蝕はたしかに四重構造だけど、鏡の影は違う、と書いたんですよ。
 余分なものがない=いいこと、とも書いてません。
 余分なものがない=設計図通りの構造で作られた証だと書いたのです。

 だいたい440-445は、309さんが420に書いた強引な意見を嘲笑ったものでしょう?
 どれもぜんぜん四重構造の作品じゃないですよ。なんで気づかないんですか?

 鏡の影が、キリスト教の問題に即して展開しているのもわかってます。
 その上で、平野氏が説明過多に展開して一つのプロットを目指したようには、
 鏡の影はなっていない、と書いたのですよ。いつもの佐藤氏の特徴ですけど、
 そんなことは読者も知っていてあたりまえとばかりに、説明せずに、あくまでも
 扱いは前提として、話を進めているだけですから。

 黄金産出と処女懐胎の扱いの違いも、この違いの意味を理解できればわかって
 もらえると思いますが。だいたい佐藤氏と平野氏は文学観が全く違いますよね。
 細部まで設計図を作って、構造を弄ることに楽しみを感じる平野氏(それが良いことか
 わかりませんが)の意図した同じ構造を佐藤氏が念頭においていたとも思えません。

 「読めば読み取れるものをわざわざ解説する作家はいない。」と言いますけど、
 自分だって310でこの構造のことを「知らなかった。説明してくれ」と書いてるじゃないですか。


535 :463:2007/10/22(月) 02:39:43
 今更だが俺も反論しておこう。309氏は何か勘違いしているようだから。

 >裁判になる盗作は字句にいたるまでの一致を幾つも指摘できるものだけだ。
 >アイデアやプロットや構造を丸ごと流用しても、
 >字句を変えておけば、盗作裁判にはならない。
 >だから佐藤は「ぱくり」と言ったのだし、平野は六年間平然としていた訳だ。

 何が言いたいのかわからない。僕はあなたの意見は無理矢理だと書いたのだが。
 盗作の証明はできないと改めて宣言したかったのか?

 >支離滅裂だな。かわいそうだからこれ以上castleの足を引っ張るんじゃない。
 >「作品各々の構造がそれだけ複雑である事実が示すのは、作品固有の組成の強度であり」
 >それが同じということは、そのまま流用せざるを得なかったのだということになる。

 これもわからない。君の不思議な考えだと全く同じ作品がふたつ出来上がるが。
 同一ではない二つの作品がある時、各々の作品の構造が複雑であればあるほど、
 盗作の可能性は低くなる理由がわからないのか。

 昔、大学の入学式で蓮實重彦が異様に長い挨拶をしたが、面白いことを言っていた。
 「似ている」という事象から汲み取れる最も確かな事実は何か? 
 それは、それらが確かに違うものであるという事実なのだ。
 ということだ。


537 :309:2007/10/22(月) 11:24:01
 お前ら十日も悩んでたのか?

 >>524
 もう終ってるし、お嬢ちゃんはレベルが低すぎなんだが
 おれは優しいから答えてあげるよ。

 >ここで自分は、日蝕はたしかに四重構造だけど、鏡の影は違う、と書いたんですよ。

 だから君の間違いを指摘してあげたんだよ。感謝してほしいもんだな。

 >余分なものがない=いいこと、とも書いてません。
 >余分なものがない=設計図通りの構造で作られた証だと書いたのです。

 何の証にもなっていないな。平野が「鏡の影」をいっしょうけんめい読んで
 理解できる範囲で単純化したって意味か? 

 >だいたい440-445は、309さんが420に書いた強引な意見を嘲笑ったものでしょう?
 >どれもぜんぜん四重構造の作品じゃないですよ。なんで気づかないんですか?

 どれも間違いなく四重構造だよw。440-445は420を嘲ったつもりで
 平野を嘲っている。なんで気が付かないのかね。

 >鏡の影が、キリスト教の問題に即して展開しているのもわかってます。
 >その上で、平野氏が説明過多に展開して一つのプロットを目指したようには、
 >鏡の影はなっていない、と書いたのですよ。いつもの佐藤氏の特徴ですけど、
 >そんなことは読者も知っていてあたりまえとばかりに、説明せずに、あくまでも
 >扱いは前提として、話を進めているだけですから。

 知っていて当り前のことは、当然そこに存在している。
 説明過多に展開して貰わないとひとつのプロットを目指したように思えないのは
 君が当り前のことを知らないからだ。もう少し勉強が必要だな。
 「聖なるアグネスよわがために祈れ」の出典は調べたかい?


538 :309:2007/10/22(月) 11:25:20
 >黄金産出と処女懐胎の扱いの違いも、この違いの意味を理解できればわかって
 >もらえると思いますが。

 アンドロギュヌスを炙ったら金ができた、という単純な話と
 「イコノロギア」でも首っ引きにしなければ全部は読解できない
 込み入った象徴連鎖という違いはあるが、
 作品の構造上は同じ。

 >だいたい佐藤氏と平野氏は文学観が全く違いますよね。
 >細部まで設計図を作って、構造を弄ることに楽しみを感じる平野氏(それが良いことか
 >わかりませんが)の意図した同じ構造を佐藤氏が念頭においていたとも思えません。

 細部まで設計された構造は佐藤作品の特徴でもある。
 既に何度も指摘されているし、「雲雀」の解説で若島正も触れている。
 強い影響関係を読み取るのが普通だろうな。

 >「読めば読み取れるものをわざわざ解説する作家はいない。」と言いますけど、
 >自分だって310でこの構造のことを「知らなかった。説明してくれ」と書いてるじゃないですか。

 「平野が言った」というのは知らなかったんでね。
 まさかそんなバカを口にする作家がいるとは思わなかったからだが
 ほんとに言ってたのには呆れたよ。

 もう少し色々な小説を読み込んで考えてから再挑戦したらどうだ。
 今のままでは、平野=真で佐藤=偽という君の直感は
 まるであてにならない、非論理的なものとしか思えないな。


539 :309:2007/10/22(月) 11:26:53
 >>535
 >何が言いたいのかわからない。僕はあなたの意見は無理矢理だと書いたのだが。
 >盗作の証明はできないと改めて宣言したかったのか?

 お子ちゃまはこれだから困るな。盗作裁判の前例に当ったか?

 >同一ではない二つの作品がある時、各々の作品の構造が複雑であればあるほど、
 >盗作の可能性は低くなる理由がわからないのか。

 「日蝕」と「鏡の影」、例の四重構造が違うことを論じてからでなければ
 全く無効な反論だな。
 構造的に同じ二作品の間には参照関係のある可能性が高い。

 >昔、大学の入学式で蓮實重彦が異様に長い挨拶をしたが、面白いことを言っていた。
 >「似ている」という事象から汲み取れる最も確かな事実は何か? 
 >それは、それらが確かに違うものであるという事実なのだ。

 似ている=確かに違うものである=ぱくりではない?
 笑わせてくれるな。
 蓮實の産婆術も君らには無効ということか。
 一冊くらいちゃんと読んだだろうな(訓示の間寝てたのか、とは言わないよwww)。
 蓮實が最も嫌うのは君のような短絡的結論だとわかる筈だが。

 週末にもういちど様子を見に来てやるよ。
 もう少しましな反論ヨロ。


576 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 00:14:28
 鏡の影 題名

 日蝕 題名

 鏡とは、光を反射することによってものの姿を映す。
 影とは、物体が光をさえぎることによってできる。
 日蝕とは、太陽の光が月によってさえぎられ、影になる現象をいう。
 月とは、太陽の光を反射することで輝いている。
 したがって日蝕とは、月の影であり、鏡の影なのである。

 題名が似ている


578 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 00:16:41
 鏡の影 あらすじ
 (1)実在のオカルト文献を頼りに真理探究の旅に出る
 (2)知を授ける真理探究の先達に出会う
 (3)後に真理に至る人物に出会う
 (4)異端審問に立ち会う
 (5)火刑とその中断に立ち会う
 (6)「白紙」で表現される奇跡に立ち会う
 (7)真理探究の師が先だって到達していた境地に主人公もまた到達する

 日蝕 あらすじ
 (1)実在のオカルト文献を頼りに真理探究の旅に出る
 (2)知を授ける真理探究の先達に出会う
 (3)後に真理に至る人物に出会う
 (4)異端審問に立ち会う
 (5)火刑とその中断に立ち会う
 (6)「白紙」で表現される奇跡に立ち会う
 (7)真理探究の師が先だって到達していた境地に主人公もまた到達する

 あらすじが似ている


579 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 00:17:28
 鏡の影 194ページ 5行目
 『セフェール・ラーズィエル』

 日蝕 10ページ 14行目
 『ヘルメス選集』

 実在するオカルトの文献を足がかりに、主人公が真理探究の旅に出るという展開が似ている。


580 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 00:18:15
 鏡の影 258ページ 8行目
 「――野蛮人どもめが」

 日蝕 50ページ 1行目
 「ふん、乞食坊主が。」

 面会を目的に文書を持って教会の偉い人に会いに行ったが、そこで退廃を目撃し、邪険に扱われ、捨てゼリフ的な暴言を一言、聞く、という展開が似ている。


581 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 00:19:17
 鏡の影 189ページ 12行目
 ニコラウス・グァネリウス
 189ページ 14行目
 ニコロ・グァネリ

 日蝕 48ページ 6行目
 「ニコラと云ったな、

 真理探求を行う者の名前が似ている。


582 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 00:34:08
 鏡の影 17ページ 1行目
 「その時が来たら、あの本はお前にやろう。私の生涯を懸けた答がそこにある。」
 16ページ 3〜4行目
 叔父の独言も幾らかは理解できるようになった。ある晩、ヨハネスは意を決して尋ねてみた。「黒化の後の第一質料からは霊と魂が放たれます。

 日蝕 145ページ 6行目
 「私の身に何か起これば、此処に在る書の類は皆お前の好きにするがよい。」
 118ページ 8〜9行目
 「第一質料の為だ。」

 主人公と真理探究の師が、同じ意味合いの語を含む会話を交わす点が似ている。


588 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 10:24:12
 鏡の影 36ページ 13行目
 暖炉の端に緋色の背中をしたむかでが一匹、張り付いていた。

 日蝕 25ページ 9行目
 こうこうとかがやく一点を認めた。歩み寄れば、麦の粒程のしろいくもであった。

 主人公が、物語の序盤に、色を特徴とした、昆虫以外の陸の節足動物を、予兆のように発見する、という展開が似ている。


589 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 10:25:07
 鏡の影 34ページ 14行目
 「あんなに別嬪の妹がいたら、
 37ページ 8行目
 床屋の女房がベアトリクス姫と呼んだ娘

 日蝕 80ページ 9行目
 「・・・・・・おしなんです・・・・・・」
 81ページ 8行目
 「おしなんです」

 主人公が、運命的な関係を結ぶある人物に初めて出会い、主人公は陶然とし、その日の夜夢の中でも再び出会いさらに陶然となるという展開が似ている。



590 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 10:25:37
 鏡の影 111ページ 1〜3行目
 乳と蜜で肥えさせています
 114ページ 4行目
 磨り潰した胡桃入りの蜂蜜を塗って焙った豚肉
 114ページ 8行目
 瑪瑙を抉った器に盛られた瑞々しい杏

日蝕 47ページ 2〜4行目
 籠の隙より、チイズが見える。クリイムが見える。りんごやプラムのような果物が見える。くるみが見える。瓶詰にせられたヨオグルトが見える。はちみつが見える。

 主人公が教会に赴くと、そこでは世相に反して贅沢な食事をとっている、という状況と、乳製品、杏(プラム)、胡桃、蜂蜜といった食品の種類が似ている。



591 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 10:26:16
 鏡の影 181ページ 9行目
 シュピーゲルグランツについて、子供のように殆ど息を切らすこともなく丘を駆け上がると、途端に、斜面で手を繋ぎ輪を描いて踊っている娘たちに出会った。

 日蝕 44ページ 4行目
 聖堂奥の僧院に至ると、我々は中から飛び出して来た三人の若い女と擦れ違った。

 主人公が引率されて移動していると、戯れあう若い娘たちに出くわし、主人公がからかわれるが、結局何も無く別れる、という展開が似ている。



592 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 10:26:51
 鏡の影 76ページ 11行目
 猛然たる口喧嘩の声と何かが割れる音がした。

 日蝕 79ページ 9行目
 これを聞いたギョオムはにわかに烈火の如くいきり立ち、

 主人公が寄らせてもらった百姓の家の中で、百姓の夫婦が突然口喧嘩を始める点が似ている。


597 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 18:26:57
 鏡の影 129ページ 15行目
 「まさか」「まさか」「赤の他人」「全然似てない」「似てる?」「似てない」「名前も違う」「こいつはヒンツ」「こいつはクンツ」

 日蝕 82ページ 12行目
 「ギョオム?」「誰だ、ギョオムって?」「知らねェなァ。誰だ、ギョオムって?」「ギョオムねェ。」「とぼけるなって。」「鍛冶屋のギョオムだ。」「いや、ちんばのあおごろもだ!」

 主人公が訊ねると、百姓たちが唐突に、同一の語を含む短いセリフで、かけあい漫才のような問答を始め、やがてドンちゃん騒ぎになる、という展開が似ている。


598 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 18:27:33
 鏡の影 214ページ 21行目
 グァネリウスは殆ど絶望に近いものを感じながら彼女の髪を撫で、

 日蝕 134ページ 9行目
 ピエェルは手の甲で静かにその髪を払いながら、両性具有者の頬に触れた。

 主人公に知を授ける立場の真理探究をする者が、後に火刑に処せられそうになる者と性的な行為に及ぶ、という展開が似ている


599 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 18:28:06
 鏡の影 239ページ 1行目
 その顔に浮んだままの恍惚とした歓喜の表情が

 日蝕 80ページ 10行目
 あとう限り大きく口を開いて声なく笑って

 後に火刑と中断の騒動を経て真理の果てに到達するような立場の人物が、その前から既になにかに至っている点が似ている。


600 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 18:29:16
 鏡の影 282ページ 1行目
 地下室の上げ蓋を上げた。

 日蝕 124ページ 4行目
 洞窟の内部は、

 火刑とその中断を経て真理にいたるものの身が、地下の空間にあるという展開が似ている。


601 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 18:29:48
 鏡の影 20ページ 4行目
 その頁には何も書かれていなかった。まったくの白紙だった。ヨハネスは狂ったように頁を繰ったが、どの頁もどの頁も、全くの白紙だった。
 322ページ 17〜18行目
 図表はそこにありながら、しかも白紙同然だった。
 328ページ 8行目
 「これは白紙だ」

 日蝕 184〜185ページ
 白紙(文章が書かれていない見開きの2ページになっている。)

 真理探求の果てを「白紙」で表現する展開が似ている。


605 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 19:55:22
 鏡の影 29ページ 14行目
 ゴーレム

 30ページ 2行目
 「新しきアダム」

 328ページ 13行目
 怒り狂うマールテンの額に、うねる緋色の筋が現れた。

 日蝕 139ページ 9行目
 巨人が現れると云うのである。

 179ページ 7行目
 かの巨人の姿であった。

 人外の人型についての噂と、その登場という展開が似ている。


606 :新潮文庫の「日蝕」とブッキングの「鏡の影」を比較:2007/10/27(土) 19:56:16
 鏡の影 328ページ 18行目
 指は、細かな、乾いた土となって紙の上を滑り落ちた。〜

 日蝕 188ページ 14行目
 指の隙から、光の名残のような金粉がこぼれた。〜

 奇跡が起きた後、人が粉状の物質に変化する展開が似ている。


614 :吾輩は名無しである:2007/10/28(日) 02:22:12
 ずっと前に誰かが書いてたけど
 平野が読んでいたらなおさら
 上記のような箇所のぱくりは避けるでしょ
 単に損するだけだから


615 :吾輩は名無しである:2007/10/28(日) 02:40:44
 それはあらゆる盗作問題に言える詭弁だね


619 :吾輩は名無しである:2007/10/28(日) 13:49:46
 マジレスすると、そんな書き方ではいくらでも書ける。
 他の作品からでもできる。低レベル過ぎ。
 佐藤亜紀氏も鼻で笑うだろう。


621 :吾輩は名無しである:2007/10/28(日) 16:20:38
 ふうん、じゃお前やってみろよ。
 「黒の過程」で頼むわ。
 どんな作品からでも可能だというなら
 612があげた箇所も全部あげられる筈だろ?


631 :吾輩は名無しである:2007/10/28(日) 23:44:04
 619よ、「黒の過程」読んで当該箇所指摘ヨロ。
 三日もあればできるだろ?


674 :Gauche:2007/10/31(水) 17:55:25
 さて、今更だが俺も少しだけやっておこう。

 まず下記の箇所は『鏡の影』で呈示されたモチーフそのままだ。
 もちろん字句や表現は異なるが。

 「被造物が悪として存在し得ぬのであるならば…」から
 「世界の全的な到達と再生」の予感へ到る主人公の思索の流れ。


675 :Gauche:2007/10/31(水) 17:56:52
 ・ジャックは教会で説教を行ない、人々はそれを疑わない。
  主人公はジャックを論駁しようと決意し問答を行なう。

 ・間歇熱が流行し(黒死病を想起させる)、
  村で争いが起き、風説が流布される。

 このあたりも『鏡の影』からの丸ぱくりだな。


676 :Gauche:2007/10/31(水) 17:58:43
 瑣末な一致や類似に到ってはかなりの数にのぼり、
 仔細に比較していけばきりがない。
 とりあえず、ひとつ挙げておく。

 主人公が村にいる時、ピエェルは白化の作業をしている。
 黒化の後の第二過程。
 >>582参照


705 :吾輩は名無しである:2007/10/31(水) 21:54:34
 >>580
 「鏡の影」では、物語の後半で、騎士フィヒテンガウアーが、
 司教が、建物の外の市民について言うのを聞き、
 「日蝕」では、物語の序盤で、主人公が、
 司祭が、扉越しの主人公について言うのを聞いた、
 という点が似ていません。
 どちらも教会の退廃ぶりを端的に表していると思ったので挙げました。

 >>591
 「鏡の影」では、物語の中盤で、道すがら、
 「日蝕」では、物語の序盤で、僧院内で、
 という点が似ていません。
 なぜこの部分が似ているように思えたのかというと、
 どちらも人物造形が物語世界から浮いているように思えたのと、
 ボッティチェリの「プリマヴェーラ(春)」を連想したからです。

 「鏡の影」ではこの他にもベアトリクスやフィリッパが
 有名な絵画を思わせる雰囲気を纏っています。
 このあたりがイコノロジーと関連しているのでしょうか。


783 :吾輩は名無しである:2007/11/08(木) 22:52:54
 >>589
 「鏡の影」では、その日のうちではなく、
 クリスマス間近の数日間が空いていました。

 火刑のエピソードの比較をしていたのを書き込み忘れていました。

 鏡の影 245ページ 13行目
 火刑を見にいかないんですか、
 248ページ 7行目
 聖ゲオルク教会の塔に炎が見えた。

 日蝕 172ページ 8行目
 焚刑に処する
 176ページ 10行目
 「太陽だ!」

 ある者が火刑が処されようとするが、通常ではありえない現象によって中断され、
 それを目の当たりにした真理探究する者が考えを改める、という展開が似ている。


784 :Gauche:2007/11/10(土) 11:12:03
 >>459さんはまだいるかな。

 >平野氏のいう四つの構造、内容それぞれをきちんと配置すると、
 >もう文章が決まってくるというか、それこそが日蝕になるね。
 >それだけでできていて、余分なものがないことがわかるから。

 >余分なものがない=設計図通りの構造で作られた証(>>524)

 上記のあなたの主張を踏まえた上で>>592で挙げられた部分について、
 次の点を解説してください。
 1. 『日蝕』のこの口喧嘩の場面は「設計図通りの構造」の中で何を担っているか。
 2. またそれは『鏡の影』における当該箇所とどんな相異があるか。
 3. 両作品間でこのような類似が発生したのは何故か。


903 :吾輩は名無しである:2007/12/21(金) 20:20:09
 平野君か誰か知りませんが
 自画自賛がしたければ平野スレでしたらどうでしょう。
 ここは平野の盗作が指摘されたスレ。
 そして今でも有効な反論はされていません。

 そんなスレで切り張りやパクリに過ぎない作品を売り込もうなんて
 自分がみじめになりませんか?
 ここではもう誰もだまされませんよ。
 平野スレならきっときみにふさわしい読者wがいると思う。
 これ以上ぶざまなところをさらさずに帰ったほうがいいと思う。


904 :吾輩は名無しである:2007/12/21(金) 21:57:11
 >>903
 はあ?
 ここは佐藤亜紀氏の「平野啓一郎氏に対する盗作疑惑」の真相が、
 彼女の売名行為であったことを証明するスレッドですよ?字が読めない?

 というかあなた全然読んでませんね?テキトーに放言してますね?
 全て読んでいれば出るわけない発言ばかりしているよ。嘘つき。
 Gaucheさんが学校から帰ってきたら大変な目に遭いますよ?

――――――――――――――――――――――――――
以下は

【新潮社】平野啓一郎氏盗作疑惑の真相 2 【日蝕
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/book/1198595611/l50
から投稿を抜粋した物です。

62 :吾輩は名無しである:2008/01/30(水) 00:03:58
 鏡の影 180ページ 第十一章
 ヨハネスとシュピーゲルグランツは娼婦の野営地で一夜を過ごす
 186ページ 16行目
 ヨハネスはこの女に惹き付けられるのを感じた。
 297ページ 13行目
 「何てことでしょう、妾(あたくし)ともあろうものが百姓女みたいに藁の上に押し倒されるなんて」
 331ページ 7行目
 フィリッパなる女である。閣下は言わば花園のただ中からこの女を選んだのだが、

 日蝕 84ページ 4行目
 ある日、村にジプシイ紛いのひとりの女が流れて来た。
 6行目
 ただ、何処か凄いような魅力が有って、
 9行目
 女は既にしてギョオムに嫁(か)したこととなっていた。
 11行目
 今度は当地に来たばかりであった司祭のユスタスと姦したことである。

 その土地に生活を根ざしていない異国風の女性がふいに現れ、ある人物と肉体関係を持ち、
 その後で高位の聖職者とも肉体関係を持つ、という展開が似ている。

 フィリッパに相当する人は誰だろうと探していましたが、微妙なのがジャンの母親による上記の展開です。
 「鏡の影」でもフィリッパとシュピーゲルグランツは微妙な主従関係にありました。
 神話に相当するのはアポロンの母レトでしょうか。



63 :吾輩は名無しである:2008/01/31(木) 23:38:59
 「鏡の影」 38ページ 13行目
 声の主は軋むような甲走った笑い声を立てた
 59ページ 3行目
 奥方様のリュートが、と呟いた。
 62ページ 8行目
 シュピーゲルグランツがくすりと笑いを洩らすのを、ヨハネスは聞いた。
 「ペストだ」と司祭は叫んだ。
 75ページ 7行目
 「あんな奴、ペストにでも取り憑かれてくたばればよかったんだ」
 「ひとことそう言っていただければ良かったのに」とシュピーゲルグランツは答えた。
 330ページ 2行目
 シュピーゲルグランツは吹き出した。そのままけらけら笑いながら、

日蝕 138ページ 1行目
 村では奇妙なかんけつ熱が流行し始めた。
 180ページ 14行目
 ここに至って、矢はようやく放たれむとしていたのである。
 181ページ 3行目
 だが、こう思った次の刹那、ジャンの不毛にうがたれた暗い小さな穴からは、
 ものに憑かれたような狂的な哄笑が、肉を破るが如く噴出したのであった。

 「弓」「竪琴」「疫病」といった特徴を持つアポロンと「哄笑」「少年」といった特徴で、
 「鏡の影」の従者シュピーゲルグランツと「日蝕」の少年ジャンをつなげることができます。



64 :吾輩は名無しである:2008/01/31(木) 23:39:56
 いささかこじつけの感がありますが、気になった3点を一応あげておきます。

 鏡の影 177ページ 17行目
 ヨハネスは最初の日曜からミサに出席することに決めた。
 8行目
 彼の唇から漏れる声は善男善女の声を剣のように貫いて、
 10行目
 マールテン師の視線が此方に向くと、シュピーゲルグランツは俄に殊勝らしい様子を作って、
 雲が日を遮るようにその悪戯を隠してしまった。
 12行目
 その不可思議な吸引力の中心に立っているヨハネスだけだ。
 15行目
 そこでマールテン師は敢然と反撃に出た。

 日蝕 30ページ 3行目
 村人が多く群を成しているのが見える。
 31ページ 7行目
 眼窩の底深くに沈んだ信心かんぱつたるどうせいが、この時しゅゆの間私の上にとまりまた直った。
 その間もことばは途切れない。僧侶のこの些細なしぐさに促されて私の方をかえりみた者が二三有ったが、
 彼等もやはり無関心らしく、すぐに視線を元に戻した。

 聖職者が説教をしているところに主人公が赴く。
 主人公は特に気を引くようなことはしていないのだが、
 ほかのものの所作のために結果的に村人の注目を浴びてしまう。
 しかしすぐにそれは解消される、という展開が似ている。


65 :吾輩は名無しである:2008/01/31(木) 23:41:04
 鏡の影 148ページ 5行目
 何か巨大な蕪(かぶ)に似たものをつかみ出しては、畦(あぜ)に沿って掘った穴に据えると、他方が丁寧に土を掛け、
 13行目
 修道士は至極気持ちのいい笑顔でヨハネスに微笑み掛け、
 155ページ 12行目
 修道士は欠けた歯をむき出して愛想良く笑ったが、
 15行目
 修道士は九つのされこうべを洗い終え、再び愛想良く笑いかけて去った後だった。

 日蝕 28ページ 2行目
 死者はすべて共同埋葬にせられていたからである。その為、屍体は老若男女を問わず皆塋域(えいいき)奥の大きな穴の中に放られていた。
 一杯になれば、土をかぶせて埋めるのである。
 5行目
 以前に埋めた筈の穴の一つから、醜く腐爛(ふらん)して、頬の肉が落ち、大きく歯を剥出しにした遺骸の顔があらわになっていた。
 8行目
 そのあらわになった顔に向かって、こう声をかけた。
 「そんなに嬉しいかね、また戻ってこれて?」

 村で死んだ死体が穴に埋められて、後に穴から肉が落ちて骨があらわになった骸骨を目撃する、という展開と、
 常識的な感性からは状況にそぐわない「笑顔」という演出が似ている。


66 :吾輩は名無しである:2008/01/31(木) 23:41:43
 鏡の影 259ページ 10行目
 どうすれば不快の念を気取られずに済むものかと考えた

 日蝕 44ページ 11行目
 助祭は動揺を隠し得なかったが、私は敢えて口を開かずにいた。こういう男と接するに、
 尊大なかん黙を守っていられるのは、私のささやかな美点の一つである。

 聖職者の堕落を目撃しても、感想を表にあらわさないようにする自分を省みる、という展開が似ている。